ファン・ジニ(황진이)

ファン・ジニ(황진이)

タイトル:
🇰🇷 황진이(ファン・ジニ)
🇯🇵 ファン・ジニ
🇬🇧 Hwang Jini
🇭🇰 黃真伊

放送期間
🇰🇷 2006年10月11日〜12月28日(25回)

🇰🇷 公式サイト:http://www.kbs.co.kr/drama/hwangjiny/

🇯🇵 BSジャパン公式サイト:http://www.bs-j.co.jp/hwangjini/

制作局:KBS

演出:キム・チョルギュ

脚本:ユン・ソンジュ

キャスト:
ハ・ジウォン、キム・ヨンエ、ワン・ビンナ、キム・ジェウォン、ユ・テジュン、チャン・グンソク ほか

황진이 (ファン・ジニ) 黃真伊 役

あらすじ

両班(ヤンバン)の父と、妓生(キーセン)の母の間に生まれた少女チニ。妓生の娘は、芸妓として生きることを運命づけられていた時代に、母は娘に自分と同じ道を歩ませたくないと幼い頃から娘を寺に預けた。しかしチニは天性の舞踊の才能を開花させ、母の反対を押し切って自ら妓生の世界へと足を踏み入れる。厳しい師匠との確執、ライバルの妓生との競い合い、そして、チニに思いを寄せる男たちとの悲恋…。苦しみの中でチニは真の芸の道を究めていく…。

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💬 Summary 各話あらすじ 

寺に預けられ、母親を全く知らずに育った少女ファン・ジニ(チニ)。赤いチマをはきいい香りがするお母さん、その面影だけを頼りに母親を探し出したいと思っている。ある日、チニは妓生たちの宴席を見て、その舞に魅了される。鮮やかな衣装に美しい舞。気持ちが昂り、チニは舞が習える教坊を訪ねる。教坊には、琴の名手でありチニの母親、ヒョングムがいた。彼女は、辛い妓生の道を我が子に歩ませたくないがゆえに、チニを寺に預けていたのだ。しかし母親の思いとは裏腹に、チニの才能を見抜いた行首ペンムは、チニを妓生の道へと誘ってしまう。

母親に出会えたチニだったが、そこは教坊、妓生の養成機関である。母親のヒョングムは、我が子に辛い妓生の道を歩ませたくない思いで、チニを教坊に置くことを拒む。だが、チニは自分が捨てられたと感じ傷ついていた。母と離れることを嫌がり泣きつく娘を見て、ヒョングムはもうチニを遠くへやることなどできなかった。 ようやく教坊に籍を置くことができ、修練に励むチニ。やがて月日は流れ、生まれ持つ芸の才能と美貌を兼ね備えた優秀な童妓へと成長した。そんな彼女の前に、ある両班の子弟が現れる…。

ウノは、チニと会ってから彼女への想いが増すばかり。一方のチニは、異性の事などまるで興味がない。その芸に対する情熱と才能は並々ならぬもの。舞の稽古が始まると、舞に必要な〝足の感覚〟を掴むため、ペンムには内緒で綱渡りを教わりに行く。そして大市が立つ日に、チニは人前で華麗な綱渡りを披露する。途中、ペンムがやってくる姿が目に入り、チニは動揺して綱から転落。その始終を見ていたウノが受け止めに下に入り、二人はもつれる。その瞬間、互いの唇が触れ合ってしまう…。

松都教坊にも選上妓(都へ送るため選別された優秀な童妓)を献上するお達しが来た。だがペンムは、全国の教坊の妓生に芸を競わせて女楽を選ぶべきだとソン長官に提案する。チニもペンムの意気を感じ、都の女楽行首メヒャンに対しても怯まない。欲しいものは、自らの芸で感動させ“王様が流す涙”だと言い切る。しかし稽古に専念するつもりの彼女の心は、ウノへと動き出していた。二人の距離は日に日に近づいていく。それを覚ったウノの母は、教坊まで出向きチニを呼びつける。そしてウノの目の前でチニを平手打ちする。

ウノの母は教坊でチニを呼びつけ平手打ちする。それでも悪びれない態度に激昂したウノの母は、熱湯をチニの顔にかけようとする。そこへ間一髪割って入り、熱湯を浴びながらもチニをかばうペンム。童妓の不始末の責任は行首である自分にあると言って、何とかその場を取りもった。妓生と両班の恋は、決して許されない定め。きっぱりウノとの恋を終わらせる決心をしたチニだが、そんな思いはウノには関係なかった。ウノはチニに指輪を送り永遠の愛を誓う。そして二人は口づけを交わすのだった。

チニと結婚するために母を説得するというウノ。彼との恋を断ち切る覚悟だったチニだが、心が揺れてしまう。教坊では競演に先立って宴が開かれることになり、童妓たちはそこで水揚げをしなければならない。ますます動揺するチニと同じく、童妓仲間のソムソムも水揚げの話で悩んでいた。それでも女楽に絶対になると言い切る彼女の決意が、迷っているチニを後押しする。カウンに呼び出されウノとの愛を分け合おうと言われても、チニはそれをきっぱりと拒否する。そして、コムンゴの弦を切り、ある決心をする。

チニの決心は、ウノのために全てを投げ打ち、妓生にならずに水汲みになることだった。それをペンムに告げると、ペンムが条件を出してきた。近々催される宴でチニが誰かの目に留まったら髪飾りを渡すこと。もしウノがその人から髪飾りを奪い取ったらチニの好きなようにさせると言う。ペンムはウノの覚悟が見たいのだった。一方のウノは、オムスからチニが水揚げすると聞き、チョン・チュクの元へ嘆願書を届けに行く。その内容は、厳しい両班の法に背いてまでも、チニを妻として迎えるというものだった。

チニと結婚するというウノの嘆願書を見て、二人の関係を断ち切らせようと計略を巡らすチョン・チュクは、予定されていた宴を早めることにする。
水揚げを控え不安がる童妓たち。中でもソムソムは、下男のチャンイに好意を抱きつつも、貧しい家族を助けるために玉代を得なくてはならないという葛藤に苦しんでいた。そして宴の前夜、チャンイから送られた髪飾りを着けたまま、彼女は自らの命を絶ってしまう。翌日の宴。チニが奏でるコムンゴに感銘したキム判書が水揚げを申し出てくる。そこへ都から駆けつけたウノが割って入る。

父親であるキム判書が、チニを水揚げすると名乗り出たところに待ったをかけたウノ。ペンムは父と闘えと煽るが、結局ウノは父に剣を抜くことは出来なかった。チニはペンムとの勝負に負けてしまった。だが娘の恋を案じるヒョングムが、チニとキム判書の座敷に来て眠り薬入りの酒をキム判書に飲ませる。その隙にこの町からウノと一緒に出るよう促す。チニは教坊を抜け、土砂降りの雨の中ウノを待つが…。

ウノが死んでから四年。チニはミョンウォルという妓生名で、その名を轟かせていた。だが初恋の想いは引きずったままで、ペンムへの憎しみもいまだ消えてはいない。そんなミョンウォルは、ウノの命日に自棄になって川へ入り自殺を図ろうとするが、ある男に助けられる。その男はキム・ジョンハンという両班で、明国の外圧から郷楽(朝鮮固有の音楽)を守るという任務を、国王直々に任されるほどの人物だった。 彼は礼曹判書の職に就き、郷楽を廃止しようと考える明の使臣チャンを思い留まらせるため宴を準備するが、チャンの意思は変えられそうにない。その宴に突然、ミョンウォルがコムンゴを持って現れる。

郷楽を廃止しようと考えていた明の使節チャンだったが、ミョンウォルの才知と詩心に感心し、考えを改めた様子で朝鮮を後にする。 彼女の手柄に礼を言おうとしたキム・ジョンハンだが、ミョンウォルの素直でない態度を見て思わず手をあげてしまう。だがミョンウォルが抱える苦しみを見て取ったキム・ジョンハンは、彼女を気にかけるようになる。一方のミョンウォルも、ウノの面影とキム・ジョンハンの姿が重なって見えてくる。そんなミョンウォルは舞うことを拒み続けてきたが、ペンムに復讐するため、メヒャンを訪ねて剣の舞を習いたいと願い出る。

メヒャンから教えを乞う剣の舞を披露する宴で、ペンムと勝負することになったミョンウォル。ペンムが退妓するか、自分が官婢になるかを賭け、この4年遠ざかっていた舞で勝負することになった。
メヒャンはミョンウォルの才能に目を付け、彼女に付きっ切りで特訓を課す。日ごとに上達していくミョンウォルを目の当たりにし、始めは嘲ていた女楽や松都教坊の妓生たちはその成長ぶりに愕然とし、彼女の向こう意気に一泡吹かせようと一計を案じる。ある夜、何者かが妓生生命を絶とうと、稽古に励むミョンウォル目掛けて丸太を放つ。彼女を気にかけてその様子を見ていたキム・ジョンハンが気付き、彼女をかばう。

ミョンウォルを狙った丸太の仕掛けから、キム・ジョンハンは身を犠牲にして彼女を守る。その恩返しに楽譜の採譜を手助けしようと、キム・ジョンハンの前でコムンゴを演奏するミョンウォル。だが、なぜか涙が止まらない。二人の距離は近づき始めていた。一方でミョンウォルは女楽たちと稽古に励むが、周りの者と呼吸が合わない。その理由を見抜いたメヒャンは、わざとミョンウォルに下働きさせる。すると、相手の動作を見ないという自分の欠点に気付き、見事、女楽たちと剣の舞を舞えるようになる。だが、そんなミョンウォルを陥れるため、プヨンはある奸計をめぐらす。

女楽たちが宴の最中に急に舞を止め、動揺するミョンウォルだが、すぐさま長剣を手に今は亡きウノへ捧げる舞を見事に舞う。しかし宴を戦いの場とした罪でキム・ジョンハンに罰せられる。その罰とはペンムとともに鶴の舞の舞譜を完成させるというものだった。ペンムはまたもミョンウォルの恋を断ち切るため、キム・ジョンハンは舞譜を完成させ、手柄を立てるためにミョンウォルに近づいたのだとほのめかす。その直後、キム・ジョンハンに会ったミョンウォルはその事を問いただすが、彼は何も言わない。そんなキム・ジョンハンが腹立しく思う一方で、ウノが逝ってから恋をするほどの人と初めて出会ったと、ヒョングムの前で涙ながらに吐露するミョンウォルであった。

ミョンウォルへの想いを綴った詩を写され、しかも彼女の心を奪うためにその詩を送っていたピョクケスに腹を立てるキム・ジョンハン。ミョンウォルを本気で愛してやれと告げ、彼女から身を引こうと都に戻る決意をする。それを知ったミョンウォルは、都へ向かうキム・ジョンハンの後を追う。渡し場で追いつき、詩を返すと涙が出てくる。そんな彼女を抱きしめるキム・ジョンハン。だがミョンウォルは想いを堪えて、愛されることより礼曹判書としての夢を果たして欲しいと告げる。そしてミョンウォルは、妓夫を持ってキム・ジョンハンへの想いを絶とうとする。その相手は、ミョンウォルの護衛役、ムミョンであった。

キム・ジョンハンへの想いを断ち切るため、ムミョンを妓夫に迎えることにしたミョンウォル。だが、彼女の胸の内を察したムミョンは彼女を突き放す。そんなある日、宴に呼ばれたミョンウォルは実の父親、ファン進士に出くわす。ヒョングムを蔑ろにして捨てた父親が許せなく、怒りを露にしてその場を去ってしまう。だが、ヒョングムを想うオムスに真の愛を説かれ、母親の気持ちを理解する。
その数日後、キム・ジョンハンが都へ発つことに。ミョンウォルは気持ちを抑えきれず後を追う。途中、思い直して彼と出会った川辺に行ってみると、偶然キム・ジョンハンもやって来る。もう互いに溢れた想いを止めることはできなかった。そしてその夜、二人は契りを結ぶ…。

宮中の宴で鶴の舞と鳴鼓舞が披露されることになった。だがペンムの教える舞に疑問を抱いていたミョンウォルは、ペンムの鶴の舞の欠点に気付く。それは、舞に難しい動作を入れただけで、心がない。自分の舞を否定されたペンムはひどく取り乱す。体は昔のようには動かず、鶴の舞にはミョンウォルが必要だとせがむペンムに、ミョンウォルは亡くなったウノに跪いて謝れと言う。力なく跪くペンムに、それでも舞わないと振り捨てる。ピョクケスは、私財を投じて貴重な石を掘り当て、それで楽器を作った。その功が王様に認められ、ミョンウォルを側室に迎えることに。ミョンウォルは側室になるならこの宴の場で自害すると言う。詩を競って勝てば側室にならなくてよいというピョクケスの申し出に、ミョンウォルはあっさり勝ってしまう。苛立つピョクケスは、舞を途中でやめさせ妓生たちに酌を強要する。その態度に激昂したペンムは、ピョクケスの卓をひっくり返し、舞を続けさせろと逆らってしまう。

ピョクケスに舞を途中で止めさせられ、妓生としての自尊心を傷つけられたペンム。激昂してピョクケスの卓をひっくり返してしまい、すぐさま投獄される。何とかペンムを放免してもらうため周りの者たちは許しを請いに行くが、ピョクケスの怒りは静まらない。その折、ミョンウォルはピョクケスの側室になると申し出る。その話を聞いたペンムは、今夜が妓生として最後の夜だと言ってスマンに頼んで牢から出してもらう。そして、死をもって己の罪を償うからミョンウォルを側室にするなという書状をピョクケスに送り、表紙に「鶴の舞 ファン・ジニ」とある以外は何も書かれていない舞譜を残して教坊を去る。翌朝、ペンムは崖の上で鶴の舞を舞った後、崖から身を投げる。

女楽行首の座を賭け、国王の御前で舞を披露する日がやってきた。だがミョンウォルはペンムの死から立ち直れていない様子。ミョンウォルの出番になるとピョクケスたちが、ペンムを殺したのはミョンウォルだと罵る。その声が耳に入り動揺して舞えなくなってしまったミョンウォルは、ついには気を失ってその場に倒れてしまう。翌日、ミョンウォルたちは松都へ戻るが、ミョンウォルは放心したまま。ムミョンは都に向かい、キム・ジョンハンに廃人同然の彼女を助けてほしいと乞う。その頃、ペンムが身を投げた崖の上で、ミョンウォルもペンムの後を追おうとしていた。

ペンムの後を追って身を投げようとしたミョンウォルをキム・ジョンハンが救い、そのまま二人が姿を消してから三年。二人はある山間の村で倹しいながらも穏やかに暮らしていた。それでもミョンウォルは芸への情熱が忘れられず、キム・ジョンハンもそのことに気付き始めていたが、ミョンウォルは子を宿したことを覚り、その子を育てることが自分の生きる道と決める。
ある日、ヒョングムが危篤だという話を聞いたミョンウォル。キム・ジョンハンは、ピョクケスが自分たちをおびき寄せるために流した罠かもしれないと諭すが、結局二人は松都へ向かうことに…。

ミョンウォルとキム・ジョンハンを捕らえようと兵が待ち伏せる所へ何も知らずに帰ってきたミョンウォル。彼女を守るため、キム・ジョンハンは自ら捕らわれ都へ連行される。拷問を受けてもミョンウォルの居所は言わず、王様が直々に出向むくもキム・ジョンハンは口を割ろうとはしない。一方ミョンウォルはキム・ジョンハンを救うためにあえてピョクケスに会い、キム・ジョンハンを生かし彼の手で自分を処罰させれば、彼に屈辱を与えられると促す。早速ピョクケスは王様に訴え、王様はキム・ジョンハンに三日の猶予を与える。その間にミョンウォルの居所を自白すれば罪を許し、再び重用すると告げるが、キム・ジョンハンはどんなに拷問を受けようと最後まで口を割らず、激昂した王様は、彼を車裂きの刑に処し、刑の執行の日には盛大な宴を催すよう命じる。

キム・ジョンハンに車裂きの刑が執行される頃、宮中では壮大な宴が催されていた。そこでミョンウォルは舞を見事に舞い切り、その舞に感銘を受けた王様は、キム・ジョンハンの刑を取り止めにする。一方、舞い終えたミョンウォルは罪人の身であり宴を汚したとして監禁されてしまう。
実はこの処遇は、ミョンウォルとキム・ジョンハンを逃がして彼らの縁を守るための王様の計らいだった。だがミョンウォルはそれを断り、教坊に戻りたいと申し出る。そしてキム・ジョンハンの将来を思い、彼との縁を断つ決意をする。 キム・ジョンハンは官職に復帰するも、彼女が選んだ道を恨めしく思い、荒んだ生活を送るようになる。

お腹の子のことを黙っていたミョンウォルを問い質すキム・ジョンハン。彼の手を振り払おうとするミョンウォルは、弾みで階段から転落してしまう。結局、子は流れてしまった。我が子を死なせたと自分を責めるキム・ジョンハンを、ミョンウォルは二人が暮らした隠れ家へ呼び出す。そこでミョンウォルはコムンゴを、キム・ジョンハンは笛を奏で、亡き子を弔う。
妓生の生活に戻ったミョンウォルの名声は瞬く間に拡がる一方で、プヨンはうらぶれて酒浸りに。そんなプヨンを見かねたメヒャンは、次の女楽行首の座を賭け勝負を行うと告げる。 日ごろ舞に親しんでいない人々を感銘させることが最高の舞だと考えたミョンウォルは市場で舞を披露するが、彼女の舞を見た儒学者ソ・ギョンドクに、ただの酒売りに過ぎぬと罵られてしまう。

高名な儒学者ソ・ギョンドクに天下一の娼妓と罵られてしまったミョンウォルは、最高の舞を求めて教坊を飛び出し、舞を見てくれる観客の投げ銭だけで食いつなごうとする。だがソ・ギョンドクに諭され、芸を見せると思うこと自体が驕りであったことに気付き、人々の暮らしを学ぶことに。そして女楽行首の座を賭けた勝負の日。ミョンウォルが姿を現さないまま、競演が始まる。プヨンは見事に舞い切り、女楽行首はプヨンのものだと誰もが思ったその時、ミョンウォルがやって来る。ミョンウォルはみすぼらしい格好のまま舞うと言い、しかも本来用意すべき舞譜もなければ、伴奏もつけない。格式と伝統を無視したミョンウォルの舞はいかなるものなのか…。