하지원 Ha Ji Won ハ・ジウォン《クライマックス Climax》―「枯れていくより、砕け散る方がいい」

チュ・ジフン × ハ・ジウォン主演のENAドラマ클라이맥스(クライマックス)
最終話がオンエアされてから1週間が経ちましたが、
昨日もジウォンオンニのインタビューがアップされたので、
日本語に訳してここでご紹介したいと思います。


「枯れていくより、砕け散る方がいい」―『クライマックス』女優ハ・ジウォン
“시들어가는 것보다 부서지는 게 낫다” <클라이맥스> 하지원 배우

2026.4.19

「俳優生活を振り返り、演技をやめようか悩んだ時期もありました。でも『クライマックス』を終えてみると、演技がもっと楽しくなったんです。今の私はまるで新人になった気分です。」

一時代を風靡したアクション・クイーンであり、ロマンティックコメディの女王でもあるハ・ジウォンが、冷徹で切実な欲望の顔をまとって帰ってきた。イ・ジウォン監督の新作ドラマ『クライマックス』で彼女が演じる「チュ・サンア」は、華やかなトップスターの名声の裏に隠された不安と生存本能を全身で放つ人物だ。映画『雨光』に続き再び監督と手を組み、挑戦的な同性愛コードから44サイズが余るほどの減量まで、渾身の役作りを見せた。久々に視聴者の前に戻ってきた彼女に、「枯れていくより、砕け散る方がいい」というチュ・サンアという怪物になるべきだった激しい記録を聞いた。

映画『雨光』に続き、イ・ジウォン監督と再びタッグを組みました。久々のドラマ復帰で『クライマックス』を選んだ特別な理由はありますか。

映画『雨光』を終えた後、監督から『クライマックス』の台本を渡されました。(記者注:『雨光』はまだ公開前)『雨光』での撮影が非常に楽しく、呼吸もよく合ったので、監督の提案だけでも嬉しかった。何より台本そのものがとても面白く、「チュ・サンア」というキャラクターの不思議な魅力に惹かれ、迷わず挑戦したいと思いました。

今回の現場は特に楽しかったと伺いました。単なる楽しさを超えて、俳優として具体的にどんな面白さを感じましたか。

ただ「ハハホホ」と笑いながら撮影して楽しかった、という意味ではない。『クライマックス』には多様な人間像が登場し、その人物たちが緻密に関係を結び、それぞれの選択によって展開が揺れ動きます。その渦の中で「チュ・サンア」という立体的な人物を一つひとつ形作っていく過程そのものが大きな喜びでした。

チュ・サンアは善悪で割り切れない複雑な人物です。どのようにキャラクターへアプローチしましたか?

政治・財界・芸能界が絡む関係の中で、サンアは単に善人でも悪人でもない。これは「生存」の問題です。生き残るために必死に選択し、その選択が破局を招く過程を描きたかった。ある意味で社会が彼女を怪物にしていくとも言えますが、私たちが置かれたこの社会構造の中で結ばれる人間関係の本質を表現したくて、好奇心を持って取り組みました。

 政財界や芸能界を扱ったドラマはこれまでもありましたが、『クライマックス』ならではの魅力や違いは何でしょうか。

『クライマックス』に登場するキャラクターたちがすべて立体的に生きている点が一番面白いと思います。各エピソードごとに物語は重厚ですが、その中でキャラクターたちが生き生きと描かれていて、面白さが際立っています。特にチュ・サンアの欲望について問われるなら、劇中でサンアがこう語ります。「枯れていくより、砕け散る方がいい」。この一文がサンアの欲望を最もよく表していると思います。俳優という職業は常に大衆の愛を受けなければならず、良い作品でヒットもしなければならない。その意味で、チュ・サンアという人物も女優としての生存、つまり最後まで美しい女優として愛され生き続けるために、ためらうことなく極端な選択までしてしまうのです。これは単に何かをさらに欲しがる「欲望」ではなく、「生存」に近いものです。

実際、私自身も俳優を始めたとき、常に自分自身と戦ってきたように思います。左右を振り返る余裕はありませんでした。若い頃「競争相手は誰か」とよく聞かれましたが、私にとって競争相手は常に「昨日の自分」でした。誰かを嫉妬する暇もなく、ただ自分の道を走り続けてきたので、ここまで来たことすら気づかずに走っていたように思います。もちろんヒットする作品もあれば、そうでない作品もありますが、それはすべて自分の選択であり、責任を負うべきものです。その時は、より一層努力して次の作品で再び大衆に向き合うしかないのだと思います。

劇中でNana(ファン・ジョンウォン役)との大胆な設定が話題になっています。同性愛あるいは両性愛のコードとして読まれることもありますが、俳優としてこの関係をどう解釈しましたか。

チュ・サンアにとって「ハン・ジス」(ハン・ドンヒ役)はまるで双子であり、鏡のような存在です。セリフの中に「ジスが死んだとき、私は死んだ」という言葉がありますが、それほどまでに自分自身と同一視している人物なのです。そのジスの残像が投影された人物がジョンウォンです。監督はハン・ジスという存在を通して、同性愛のコードが自然に溶け込むことを望まれていました。私はこの関係を、異性愛か同性愛かという枠を超えて、本質的には「自己理解」と「欠落」という観点から捉え、演じました。

Nanaとのキスシーンなど、視聴者の反応が非常に熱いですね。一方で、チュ・ジフンとのロマンスを期待していたファンもいたようですが。

すべての反応を読んだわけではないが、チュ・ジフンさんとのラブストーリーを期待していたというレビューは目にしました。残念に思った視聴者の方々には、次の作品で必ずお応えしたいと思います。(笑)ただ、この作品においては単純なロマンスではなく、権力と欲望の狭間に置かれた人物たちが互いにどう絡み合い、もつれ合っていくのか、その関係性に焦点を当てて観ていただければ嬉しいです。

劇中で夫バン・テソプ(チュ・ジフン役)との関係は微妙です。二人は愛し合っている関係と見ていいのでしょうか。(笑) チュ・ジフンとの演技の呼吸はいかがでしたか。

劇中で二人の結婚は徹底した利害関係の中で始まったものです。この設定自体がドラマの重要な仕掛けでした。チュ・ジフンさんや監督と話し合う中で、サンアはこの関係を「同志愛」と感じ、バン・テソプはサンアを「愛」していたと整理しました。だからこそ、愛と利害、同質感が入り混じった複雑な夫婦だと思います。演技の呼吸は本当に良かったです。チュ・ジフンさんは少し「硬派」なタイプで、お互いに遠慮せず、やりたいことを100%ぶつけ合いました。私が何かを投げかけると、さらに強く返してくれるので、演技の面白さが倍増しました。まるで剛速球を投げ合っているような感覚でした。現場の雰囲気も非常に愉快で、モニター前でよくおしゃべりをし、彼の明るい性格のおかげで撮影現場は常に明るく、楽しく撮影することができました。

女優が女優を演じるというのは独特な体験だったと思います。台本を読んで涙を流したこともあったそうですが。

チュ・サンアの選択を理解しなければ演じることはできません。台本をすべて読み終えたとき、自然に涙が出ました。大衆の愛を守り、生き残るために彼女が選ぶ行動ですが、その過程でアイデンティティが崩れ、不安定になっていく姿があまりにも胸を締めつけたのです。その感情がそのまま伝わってきたため、すべての場面が心理的に非常に苦しく、容易ではありませんでした。

実際に長く芸能界で活動してきた立場から、作品の中で描かれる暗い側面とのギャップはどの程度あるのでしょうか。

ドラマが始まる前に「事実とは異なります」というテロップが出ますよね。芸能界で生活していると、時折いろいろな噂を耳にすることはありますが、私自身が直接事実確認をしたわけではないので、はっきりとは言えません。とても繊細な問題なので、監督がその表現の度合いをうまく調整して脚本に落とし込んでくださったのだと信じています。

技術的にも感情的にも、最も演じるのが難しかった場面を挙げるとすれば。

パク・ジェサンに「私はあなたの女になりたい」と言うシーンです。パク・ジェサンはサンアの言葉を心から信じなければならず、その中でサンアは徹底的に演技をしなければならない。つまり「演技の中の演技」でした。最後の撮影日だったが、このシーンは本当に多くのテイクを重ねました。監督は「このくらいで十分だ」とおっしゃいましたが、私自身が求める感覚が出なかったので、納得がいくまでやり切り、完成させたシーンです。周囲の反応も面白かったです。母は放送を見て「怖い」と言って部屋に入ってしまい、友人たちは「普段怒らなくてよかった」と笑っていました(笑)。

ヴィランのイ・ヤンミ役を演じるチャ・ジュヨンとの対決シーンは毎回興味深いですね。卵をぶつけられる場面も大変だったと思いますが、呼吸はいかがでしたか。

ジュヨンはもともと性格がとても優しく穏やかなので、一緒に撮影していて本当に楽しかったです。劇中では互いに鋭い言葉を投げ合いますが、演技をしているとまるで互いに刀を持って武術をしているような感覚になりました。こういうシーンは撮影しながら俳優として非常にスリリングです。後半に進むと、私たち二人のロングショットが出てくるが、その場面は本当に面白いだろう。期待していただいて構いません。卵をぶつけられるシーンについては、撮影場所に高価な絵画がたくさん掛けられていたため、卵がどう飛び散るか分からない状況だったので、絶対に一発でOKをもらわなければならない場面でした。卵がどの角度で飛び散るか、どうすればサンアがより屈辱を感じるように見えるかを多角的に話し合い、最終的に一度で成功しました。撮影後、卵が顔の上でパックのように固まってしまい、ずっと水をかけながら撮影を続けなければなりませんでした。私以上にスタッフの方々が本当に大変だった場面です。

運動と食事で健康的に減量したと伺いました。

外見的にも前作とは少し違う部分を見せたいと思いました。チュ・サンアは職業が女優であり、何よりもチュ・サンアとハ・ジウォンはまったく別の人物でなければならないと考えました。だからこそ、私自身の普段の表情や話し方、笑顔がサンアに見えないようにしたかったのです。監督が求めたスタイルは、体のシェイプなどがより鋭いイメージで、サンアはある程度の年齢ではあるものの、非常に管理が行き届いた人物として映ることを望まれていました。通常フィッティングの際にはスリップなどの下着を試着するのですが、監督はそのスリップが体にぴったり張り付くのではなく、少し余裕を持って残るようにしてほしいとおっしゃいました。監督の頭の中に描かれていた独特のルックが非常に明確だったのだと思います。その結果、私は約5kgほど減量し、44サイズの衣装を縮めて着られるほどにしました。そうした外見的な鋭さが、チュ・サンアというキャラクターを完成させる大きな要素になったと考えています。

最近 YouTube で「26学番新入生」として活動し、話題を集めていますね。

「26学番新入生」として生活してみないかという提案がとても良かったんです。バラエティの経験は不足していますが、人生に対する好奇心は強いので始めてみました。Z世代の友人たちの夢や人生を知りたくて始めたのですが、実際に入学してみると、まるで20歳の自分に再会したような気持ちになり、胸が熱くなりました。同期の仲間たちは私を「近寄りがたい先輩」ではなく、本当の先輩として丁寧に教えてくれるので、毎日ワクワクした気持ちで学校に通っています。すでに学園祭でビアチームとして活動する準備に忙しくしています。

アクションからロマンティックコメディ、ドラマまで幅広いジャンルで活躍してきました。これまでのフィルモグラフィーを振り返って、どのように感じていますか。

映画『雨光』の公開が延期されたことで、自分自身について深く悩む時間を持ちました。「私は誰なのか、なぜ俳優をしているのか」という根本から改めて考えるようになったのです。私の俳優人生を振り返ると、まるでジェットコースターのようでした。ヒット作もあり、賞もいただき、過分な愛を受けてきましたが、その一方で自分の不足している部分について演技的に大きな悩みも抱えていました。「演技をやめようか」と思うほど辛い時期もありました。だからこそ今回の『クライマックス』には新人のような気持ちで臨みました。そうした悩みの末に出会った作品なので、責任感も格段に大きくなりました。絵を一人で描くなら趣味で済みますが、展示をするとなれば責任が伴うように、今はただ一生懸命やるだけでなく、自分が演じるキャラクターを観客にきちんと伝えることが俳優の役割だと思っています。以前とは作品に向き合う姿勢そのものが大きく変わったと感じています。

最後に、『クライマックス』の残り後半部の観戦ポイントを挙げるとすれば。

タイトルの通り、最後まで各話がクライマックスとして続いていきます。現在の人間関係がもう一度覆されるような強烈な反転が次々と押し寄せる予定です。成熟した人間の内面をお見せしたいという私の演技的な渇望が、しっかりと伝わることを願っています。これからはアクションやさらに多様なジャンルにも挑戦してみたいと思います。最後までチュ・サンアの切実な生存記を、ぜひ興味深く見守ってください。

元記事:こちら


このインタビュー、最終話がオンエアされる前にアップされていたらよかったのにな~とつくづく思いました。
『クライマックス』も最終話のオンエアから1週間が経ちましたが、第1話から改めて見直してみると、
やっぱりジウォンオンニの迫力ある全身全霊の演技に心を動かされずにはいられない…

チュ・サンアという役はトップ女優であり、壮絶な過去によって徐々にモンスター化していく設定。
女優が経験したくないことをすべて背負ってしまったキャラクターで、心理的に大変な場面が多く、
普通なら避けたい役かもしれませんね。しかしイ・ジウォン監督から台本を渡され、
すべて読み終えたとき自然に涙があふれ、
「チュ・サンア」というキャラクターの不思議な魅力に惹かれて迷わず挑戦したいと思ったというオンニ。
その姿はただただ格好良くて素敵だと思います。

チュ・サンアの選択を理解しなければ演じることはできません。
台本をすべて読み終えたとき、自然に涙が出ました。
大衆の愛を守り、生き残るために彼女が選ぶ行動ですが、
その過程でアイデンティティが崩れ、不安定になっていく姿があまりにも胸を締めつけたのです。
その感情がそのまま伝わってきたため、
すべての場面が心理的に非常に苦しく、容易ではありませんでした

『クライマックス』をご覧になった方は分かると思いますが、
心穏やかに見られるのは最終話くらいかもしれません😅。
サンアの登場シーンはすべて感情が激しく揺れる場面で、
彼女がトップ女優でありながら感じた孤独と恐怖を思うと、本当に胸が張り裂けそうになります。

そしてインタビューで一番心に残ったのは冒頭のこの一言。

俳優生活を振り返り、演技をやめようか悩んだ時期もありました。
でも『クライマックス』を終えてみると、演技がもっと楽しくなったんです。
今の私はまるで新人になった気分です

お日さまが演技をやめようかと悩んだのは、まさにコロナ禍の空白期。
韓国を代表するトップ女優になっても、自分を客観的に見つめ直し、
新人の気持ちで作品に臨めるのは本当にすごいことだと思います。💗
デビュー30周年を迎えた今年、チュ・サンアを通じて今まで見たことのない姿や感情を表現し、
演技のスペクトルをさらに広げる意味ある作品になったのではないでしょうか。

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